はじめに
こんにちは、Mojikoです!記事を読んでくださりありがとうございます。
この記事では、私が実際に職業訓練校へ通ってみて、訓練校がどんな感じだったのかをお話ししたいと思います。
詳しい制度の話は別記事にまとめていますので、制度について知りたい!という方はこちらをご覧ください。
私自身も通う前は不安や疑問だらけでした。この記事では、そんな私が実際に通ってみて「職業訓練ってこうだった!」と感じたことをお伝えします。
私は新卒で入社した会社を3年で退職したあと、何度か転職を経験しました。ですがどの職場でも、人付き合いが苦手なせいかうまく馴染めず、「毎日会社に行くのがつらい…」と思うようになりました。
そんな中、「できれば一人で仕事がしたい」「在宅で、人とあまり顔を合わせずに働ける仕事がしたい」と思うようになり、何かスキルを身につけようと考えました。
最初は、いったん仕事を辞めて職業訓練校へ通うことを検討しましたが、「収入がゼロになる不安」「その後ちゃんと就職できるのか」という不安もあり、まずは仕事を続けながらスキルを身につけられないかと模索しました。
そこで受講してみたのが、「東京都キャリアアップ講習」という、土日や平日夜に通える社会人向けの講座です。
しかし、フルタイム+残業のある仕事をしながら、勉強・就職活動・ポートフォリオ作りなどを両立するのは想像以上に大変でした。もし興味があれば、そちらの体験談も関連記事に載せているのでご覧ください。
その後、思い切って退職し、腰を据えて学ぶ決意をして、Webデザインの職業訓練校に約半年間通いました。
「退職して学校に通う」――と聞くと、まず心配になるのがお金のことだと思います。
雇用保険に6か月以上加入していれば給付金が受け取れますし、条件によっては月10万円の支援金(求職者支援制度)もあります。
詳しい内容は別記事でまとめているので、気になる方はそちらをご覧ください。
ちなみに私が通ったのは、退職の翌月からスタートするコースだったため、在職中からハローワークに通って相談・申込みなどをしていました。手続きは正直とても大変で、その点は別の記事に詳しくまとめています。
今回は「実際、職業訓練ってどんな感じ?」というテーマで、授業やクラスの雰囲気、通ってよかったこと・大変だったことなど、体験をもとにリアルな声をお届けします。
あくまで私が言った訓練校のお話になってしまいますが、少しでも訓練校のイメージがついたら嬉しいです。かなり長くなってしまったので【前編】【後編】に分けました。
【前編】では授業やクラスの雰囲気、環境についてを中心に、【後編】では課題や就職支援、職業訓練の感想や検討している人へのアドバイスを中心にご紹介します。(【前編】はこちらからもどうぞ)
他の職業訓練のあれこれを、テーマごとに分けて別の記事で詳しく載せていますので、よければ関連記事もあわせて読んでいただけると嬉しいです!
実際に通ってみて
課題・テストってどんな感じ?
就職活動にはポートフォリオが必須なので、授業では制作課題がたくさん出されました。毎日の授業と並行して取り組むのは大変でしたが、締切があるおかげで自然とスケジュール管理の力が身についた気がします。「やっていればいつか終わるんだな」と実感できたのも大きかったです。
課題でつまずいたときは、担任の先生や講師の先生が丁寧にアドバイスしてくれたので安心でした。Webデザインは基本的に自由度が高いのが魅力で、そこまで肩の力を入れずに楽しみながら取り組めたと思います。
テストについては事前に模擬テストが用意されていて、ちゃんと対策すれば満点も狙えました。
具体的な課題やテスト内容については、以下にまとめています。
課題について
Webサイト
卒業までに4つのWebサイトを制作しました。それぞれにクリア条件が決まっていて、たとえば1作目は「トップページ+下層ページ2ページを作ること」、2作目は「メディアクエリでスマホ対応すること」、3作目では「JavaScriptを使うこと」など、段階的にレベルアップする感じでした。
バナー
バナー課題では、架空の会社のバナーを3種類×2パターン=計6作品つくりました。会社の概要や目的(商品購入など)が決まっていて、自分で「どんな人に向けたデザインにするか?」を考えながら制作します。完成後はクラス内でプレゼンもありました。
ロゴ
ロゴも同じく、架空の会社をもとに2種類のロゴをデザインしました。こちらもターゲットや目的を考えて、自分なりの提案ができるように工夫。バナーと同じくプレゼンの時間があって、他の人の作品を見るのも勉強になりました。
動画
動画制作では、訓練校の紹介動画をグループでつくりました。監督・編集・ナレーションなど役割分担して、2日間かけて制作。最初に企画を立てて、誰に向けて・どこで公開するか(YouTube?Instagram?)を決めてから、絵コンテを描いたり、ナレーションを入れたりして仕上げていきました。
テストについて
HTML/CSSなど
このテストはパソコンではなく筆記でした。
最小基本構文(Webサイトを作るときに必要な前置きのようなコード)の穴埋め問題、JPEGやPNGなど画像形式の特徴に関する選択問題、そして設計図を見てコードを書く記述問題などが出題されました。
出題範囲はテキストに沿っているので、該当のページをよく読んで、本を見ずにコードが書けるように練習しておけば大丈夫です。
Illustrator
Illustratorのテストでは、指示書に沿って見本と同じ図形やイラストを作っていきます。
内容は大問5つくらいで、制限時間は2時間。
パスの操作や整列、グラデーションなど、授業で学んだ基本操作がきちんと出題されました。模擬テストと同じ手順で作れる内容だったので、私は1時間半ほどで終わりました。そんなに構えなくても大丈夫です!
Photoshop
PhotoshopもIllustratorと同じく、見本に合わせて編集を行っていくテストです。
色味の補正や画像の合成、切り抜き、文字入れなどの基本操作が出題され、大問は5つほど、制限時間は2時間です。
こちらも事前に模擬テストをしていたおかげで、苦戦せずに取り組めました。
就職支援サポート
「Web業界への就職活動って、何から手をつければいいか分からない…」
そんな不安を感じていた私ですが、訓練校ではキャリアサポートがしっかり用意されていて安心できました。月に1回の面談をはじめ、履歴書の添削や模擬面接、人材派遣会社の説明会など、いろいろな支援があって心強かったです。
キャリアコンサルティング
面談では「ジョブカード」という書類を使って、自分の強みや価値観、希望する職種などを一緒に整理していきました。ジョブカードは自己分析から履歴書・職務経歴書のような内容まで幅広く、就活の準備をじっくり進めるのに役立ちました。
履歴書・職務経歴書の添削
卒業の1か月くらい前からは、実際に履歴書や職務経歴書を提出して、添削してもらえるようになります。しっかりアドバイスしてくれるので、ブラッシュアップできました。
面接対策
希望すれば模擬面接もしてもらえます。本番さながらの雰囲気で練習できるので、面接が不安な方にはとてもおすすめです。
人材派遣会社の会社説明会
卒業生も利用していた派遣会社が、何社も訓練校に来て会社説明会を開いてくれました。中にはWebデザインに特化した会社もあり、「自分の目指す業界に強い派遣会社を選ぶのがポイント」と教えてもらいました。Web業界への就職についてはまた別記事にまとめたいと思います。
Web制作会社の経営者による講話
実際にWeb制作会社の社長さんが来て、働き方や1日の流れ、業界の雰囲気などを話してくれる機会もありました。IT業界ってちょっと怖いイメージがありましたが、実際は人手不足もあって、風通しのいい会社も増えているみたいです。こちらも就職についての記事にまとめたいと思います。
職業訓練を終えて思うこと
行ってみてどうだった?
結論から言うと……行ってよかったです!(笑)
私は半年間、Webデザインの職業訓練校に通いました。通学がメインで、数日はオンライン授業もありました。同じ目標を持った仲間と一緒に学ぶのは初めての経験で、とても刺激的でした。みんな初心者なので、つまずくところも似ていて、クラスメイトのコードも自分と同じ目線で参考にしやすかったです。自分で前に進んでいけたことが自信になりました!
ただ、HSP気質の私には少ししんどい部分も正直ありました。そのへんの対処法などは別記事にまとめているので、よかったらそちらも見てみてくださいね。
楽しかったこと・よかったこと
ものづくりの楽しさに気づけたことが、なによりの収穫でした!
もちろんWebデザインは、ただ「好き」に作るだけじゃなくて、配色やUI、マーケティングの視点も必要。でも基本的には自由な表現ができます。私は「すべき」を手放して「自由に生きたい」と思っているので、Webデザインの世界はとても心地よく感じました。
授業スピードはそこそこ早かったですが、日々の制作の中で「できるようになってる!」と感じられて、前向きな気持ちになれました。
私はコツコツ型ではなくて一夜漬けタイプだったので、毎日少しずつ進めていくのは慣れるまで大変でした。でも、Webサイトが少しずつ形になっていくのが面白くて、なんとか頑張れました。
それから、やっぱり「一人で勉強するより断然よかった」です!
独学のときはつまずいても誰にも聞けなくて悩みがちでしたが、訓練校では先生もクラスメイトもいるので、すごく安心感がありました。静かに集中したいタイプでも、全然浮かない雰囲気だったのも助かりました(笑)
つらかったこと
楽しいことも多かったけど、やっぱり毎日新しいことを学ぶのは大変!
課題とテストが重なる時期は特にしんどかったです。毎日2.3時間は自宅での作業が必要だったし、通学時間もテキストを読んだりして、効率よく動かないと間に合いませんでした。何度か煮詰まりましたが、課題の期限も授業も待ってくれないので、なんとか気合で乗り切りました(笑)
あと、人付き合いが得意じゃない私は、日直スピーチやグループワークが正直つらかったです。クラスの雰囲気はとても良くて話しやすい人ばかりだったけど、それでも気をつかって疲れちゃうこともありました。日直スピーチでは前に立って5分話すので、心臓バクバクでした(笑)
HSPの私にとってはこういう部分がしんどかったので、対処法などは別の記事にまとめてみました。
少しでも参考になればうれしいです。
訓練に通って得られたもの
一番の収穫は、やっぱり「スキルが身についたこと」!
授業では本当に幅広く教えてもらえるので、自信につながりました。
それから、Adobeのソフトを学割で買えたのもありがたかったです。PhotoshopやIllustratorって高いんですよね…。学割のおかげで、いろんなことに挑戦できました。
そして、Web業界についてのリアルな話が聞けたのも大きかったです。先生は現役で働いている方だったし、会社経営者の講話もあって、業界の雰囲気や働き方を知ることができました。未経験で飛び込むのって不安しかなかったけど、だいぶ気持ちが楽になりました。
訓練校を検討している人へのアドバイス
訓練校選びってすごく大事です!
カリキュラムや通学時間、自分に合う環境かどうか、ぜひ見学会でチェックしてみてください。
カリキュラムについて
初心者向けと書かれているコースの方が、丁寧に教えてもらえるので安心です。
通う時間帯について
昼コース(9時〜15時)と夜コース(16時〜22時)があるので、自分の生活に合ったものを選びましょう。子育て中の方なら昼、大学と両立したい人は夜など、柔軟に考えてOKです。
オンラインの割合について
通学がきつい人にはオンライン授業も選択肢のひとつです。通学・オンラインのバランスも要チェックです。でも意外とオンラインって緊張して授業自体は通所より疲れました(笑)なんと言いますか…常にカメラONでみんなの顔が見えていたり、急に先生に当てられたりすることが多かったので気を張っていましたね。ちなみに通所は先生が直接みているのでそんなに当てられたりしませんでした。
テキストの内容と見やすさ
見学会でテキストを見せてもらえるなら、画面や図が多くてわかりやすいかを確認してみてください。あと、発行日もチェック。あまりに古いと情報が古くて学びづらいこともあるので、2〜3年以内に改訂されているものが理想です。どうしてもWebデザインのツールはアップデートが激しいので最新版のテキストって難しいみたいです。私のところでは、授業の時に最新版のPDFをもらえたりしました。
設備や環境について
見学会ではお手洗いの個室の数、モニターの見やすさ、席の自由度なども見ておくと良いです。
意外と大事なのがこういう部分だったりします(笑)
さいごに
ここまで、職業訓練についての体験談【後編】として、課題・テストについて、就職支援、職業訓練を終えて思ったこと、訓練校選びのポイントなどを中心にご紹介してきました。
【前編】では、全体的な授業内容、カリキュラム、クラスの雰囲気や年齢層などをまとめています。
よければこちらもチェックしてみてください。
まずは開講コースを調べてみて、「気になるな」と思うものがあれば、ぜひハローワークで相談してみてください。担当の相談員さんがついて、二人三脚でサポートしてくれますよ。
詳しい手続きについてはこちらで紹介しています。
今回は記事の内容が広がりすぎないように、訓練校での全体的な様子にしぼってお話ししました。
HSP気質の私が感じた「良かったこと」「つらかったこと」「どう対処したか」などは、別記事にまとめています。
また、申し込み手続きや校内の細かい雰囲気など、伝えたいことがたくさんあったので、テーマごとに記事を分けています。少しお手間をおかけしますが、興味がある方はぜひ関連記事も読んでいただけると嬉しいです。
このブログが皆さんの新しい道に少しでも力になれますように。
ここまで読んでいただきまして、どうもありがとうございました。